きつおん、キツオン、吃音

キツオンでこれから大丈夫かなあと思ってる子供、若い人達に。

対策5) メリットを探す

意外なことにメリットはたくさんあります。以下順不同。

・やや真面目そうに見える。誠実そうに見える。本当はキツオンだからと言って真面目とも誠実とも関係ないのですが。これはありがたく誤解してもらう。

・なぜか、優しくしてもらえることも多くあります。感謝しよう。

・緊張のコントロールがうまくなります。ほかの人が緊張してるかどうか自覚できないくらいの緊張を私たちは意識しながら生活してるので、大きな緊張もその延長上です。それに緊張してつっかえても、聞いてる人は普段からそういう人と思ってれば分からないし。

・その場のみんなが困ってる場面で、ちょっと場の緊張をほぐせたりします。これは他の人だと結構技術が必要だけど、私たちは一生懸命するだけでできます。大人になったらどれだけ役に立つことか。

・イギリスでは上流階級はキツオンっぽく話します。オックスフォード、ケンブリッジで正規の教育を受けた人は、公式の場では『ほぼ必ず』1度はつっかえます。国際会議などでイギリス代表がスピーチするのを見る機会があれば、注意してみてください。あれは緊張してるからではなく、そういうマナー?です。

・そして、緩やかな仲間意識があります。もしあなたがキツオンなら、私の仲間です。将来、ほぼ誰にも気が付かれないくらいになったとしても、話し方のクセで私はあなたが仲間だとわかります。努力してきたこと、他の人以上に勇気をもってこれまで生きてきたことは私が知っています。そして、私がさりげなく助けてもらってきたように、私もあなたの助けになることならなんでもします。仲間は世界中にいるので安心してください。そして、あなたが助けられる立場になったら仲間を助けてください。

対策4) 気にしない

内容があれば聞く人は聞いてくれます。滑らかに話しても、それは普通のことで、どうってことはない。むしろ彼らはどうやって注目を集めるか工夫するくらいで、我々はそこは最初からクリアしてるのだし。

バカにする人は、どのシーンでも必ずいます。まあバカ発見器みたいなものですので、そういうのとは付き合わなければいいのです。

人は、他の人が話してることなんて大して聞いていません。自分で思うほど、だれも自分のことを気にしてません。ジャガイモと思ったらいいのです(というアドバイスが私は結構効きました)。

それに、つっかからずに話せたからそれが良いってこともないのです。むしろ下らない。一回スムーズに話せたって、次回は引っかかって話せばいいんです。練習してスムーズに話すなんてくだらない。そんなことより、他にすることがあるだろう。人生で気にしなきゃいけないことは、スムーズに話すことじゃにない。

本質的に、話し方そのものは大した問題じゃない。

対策3) リズムをつける

歌なら大丈夫なので、頭の中で軽くリズムをとる。人差し指で軽く親指をたたいて、タイミングをとる。

1拍目は出にくい傾向があるので、2拍目から話始めるとか、2音目を1拍目にする(弱起)とか、いろいろ試してみる。

アクセントが2音目にある単語を使う、もしくは多少アクセントがおかしくても2音目にアクセントを置く。名古屋(ナゴヤ)とかFax(ファックス)などは、普通1音目アクセントですが、よく使う人は2音目アクセントだったりしますので、おもしろいところです。ギターなんかも、日本語だとギにアクセントですが、英語だとタにアクセントなので、ちょっと本物っぽくなりますし、外来語だとそういう単語も多くあります。

対策2) あー、とか、えーとか言う。

これも、1音目をなくす工夫です。スピーチの指導を受けたりすると、こういうのは止めるように言われますが、こっちはそれどころじゃない、というのが正直なところでした。

会話の場合は、もっといろいろバリエーションがあります。

 んーというか、まーそうだね、なんっつーかな、そーねー、そーだねー、

などから始めると比較的言いやすい。

 

書いてて思いましたが、伸ばす音があるといいのかもしれません。これも個人によって違うと思いますし、良いのを探してください。

対策 1) 言い換え、使いにくい単語は使わない。

幸い、同じ意味の単語はいくつもあります。また、微妙に違ってても日常的に問題ない場合も多くあります。

言い換えの例は、タマゴは1音目がタなので言いにくいですが、ゆで卵とか生卵なら大丈夫です。なので、場面に応じて変えてしまえばokです。エッグも大丈夫でした。

微妙に言い換えるのは、行くはイクと読むと母音のイは言いにくいのですが、ユクと読めばユは私の場合は大丈夫でした。

これに気が付いたのは小学生くらいの時でした。最低必要な単語数の3倍から5倍くらい単語数があれば、大丈夫だな、と思ったのでとにかく本をたくさん読んで語彙を増やすことに努めました。ちょっと悲愴な覚悟もありました。

英単語も積極的に覚えました。カタカナ語を日本語に混ぜるのは場合によって嫌がられたり、鼻についたりする場合もありますが、こっちはそれどころではありません。

ただ、やや緊張しやすい場面や、一回引っかかってしまうと使える単語も使えなくなってしまうのが残念でした。

私のキツオンについて。

 

私の場合は、1音目と2音目のコンビネーションで言いやすい組み合わせと、そうでもない組み合わせがありました。

1音目は、T音(タチツテト)とかK音(カキクケコ)とかはかなり言いにくく、アイウエオの母音も結構言いにくかったです。自己紹介が母音スタートなので、これはずいぶん長い間イヤでした。今もイヤです。

また、2音目との組み合わせで言いにくい場合もあったので、とにかくいろいろ試して自分はどの組み合わせが言いにくいのか、どの組み合わせなら比較的言いやすいのか試しました。とにかく試しました。

 

こういう話を、他の人としたことがないので、他の人がどうしてるのかは知りません。

ここで書いているのはすべて私の個人的な経験だけです。当事者ではあるけど、学術的な専門家ではないし、あなたには当てはまらないことも多いでしょう。

キツオンで困ってるなら、仲間です。仲間のために役に立つことがあれば、と思って書いてます。

自己紹介

 

1973年生まれ。男。40代後半。

都内で妻と猫2匹と暮らしています。メーカー勤務。

 

子供のころは、キツオンで悩みました。今は、ほぼ普通に話せてますし、別に悩んでもいません。

以前、何かの折にキツオン対策を話したところ、そういうのをもっと聞きたかったと言われ、誰かのためになればと思い、ここに経験を記します。

今悩んでる子供、若い人。あと、子供がキツオンだったお母さんに向けて書きたいと思います。すでに大人になってる人は、もうみんな独自にこの程度のことは開発しているものと思います。

 

正直、今でもキツオンについて向き合うのは楽しいことではないので、やや書きなぐってるようなところもあります。少しずつ修正していきたいと思います。

 

特に日々の生活について書くわけではないので、ある程度書いたら放置になると思います。